「不登校30万人」のデータをどう解くか。学校の外に“もう一つの防波堤”を作る、小さな組織の『パズル型』サバイバル戦略
文部科学省が発表した最新の調査結果(※1)によると、小中学校における不登校の児童生徒数は約30万人に達し、過去最多を更新しています。
こんにちは。ガバメントデザインのASOです。
この「30万人」という数字を、皆様はどう捉えるでしょうか。私は決して「教育の崩壊」だとは思いません。むしろ、子どもたちの特性に合わせて「学びの場が学校以外にも広がり始めている、歴史的な過渡期」であると感じています。
実は、私が都庁時代に数多くの「組織と個人の力学」を見てきた経験から言えるのは、学校という大きな組織(システム)がどれだけ優れていても、すべての個性を100%カバーすることは構造上難しい、ということです。
だからこそ今、国も「無理な登校を目標とするのではなく、学校内外の公的・民間施設を活用した社会的な自立」を公式に重視しています(※2)。学校を否定するのではなく、もし今の環境が合わなくても「学びや育ちを止める必要はない」という、社会全体でのセーフティネットの構築が求められているのです。
■ 「学校以外の選択肢」という、等しく尊い地域の資源
今、学校という大きな軸を補完するように、民間企業や個人事業主、そして多くのNPOの皆様による「第三の居場所」が力強く機能し始めています。
- フリースクールや民間学童: 自分のペースで過ごせる、心の安全基地。
- 地域に根ざした個人塾: 個別の特性に寄り添う、学びの伴走者。
- オンラインコミュニティ: 物理的な壁を超え、多様な価値観と出会える場。
これらの場所の価値は、学校と対立することではありません。「ここ以外にも、あなたを応援し、見守ってくれる大人が地域にたくさんいる」という、選択肢の厚みにあります。
大きな組織には対応が難しい、一人ひとりの顔が見える「血の通った支援」を行う個人事業主や小さな組織の存在は、これからの日本における不可欠な社会資源です。
■ 志(想い)を持つサポーターを、持続可能な仕組みで支えるために
私は防災士として地域のコミュニティづくりにも関わっていますが、子どもたちのレジリエンス(折れない心)を育む土壌とは、学校という一本の柱だけではなく、地域にある無数の「小さな居場所」のネットワークです。
しかし、現場で情熱を持って居場所作りに取り組むNPOの代表や個人事業主の皆様の中には、「子どもたちのためにやりたいことは山ほどあるのに、運営費の確保やスタッフの採用・定着(人の課題)に追われて息切れしそう……」と、孤独に悩まれている方も少なくありません。
素晴らしい理念や社会貢献性(想い)を、ボランティアで終わらせず、持続可能なビジネス・組織として地域に確立させること。 行政が持つマクロなデータを事業戦略に活かし、スタッフがやりがいを持って働ける評価制度を作るという「手堅い仕組み」があって初めて、子どもたちを守る居場所を長く守り続けることができるのです。
もし今、身近な若者が学校の中で息苦しさを感じているなら、どうか道が閉ざされたとは思わないでください。そして、彼らを支える側の皆様も、決して一人で抱え込まないでください。
多様な個性を育むすべての場所と、そこに関わるすべての人を、ガバメントデザインは心から応援しています。
【出典】


